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Lesson 5. 3Dスキャニング & 3Dプリンティング §1. いつだって3Dプリンタがベストなわけじゃない

イントロダクション

 またお目にかかれて嬉しいよ。  エレクトロニクスの次にあたる今回のテーマはファブリケーションだ。つまり、3Dスキャニングと3Dプリンティングについてだ。  この講義の次の回で、もう一度エレクトロニクスデザインについて学ぶことになる。今回の講義も前回に引き続き、トレーニングの回だ。 3つの課題  君たちには3つの課題が課せられる。ひとつはグループプロジェクトで、君たちの3Dプリンタのデザインルールを確認することだ。詳細は後で説明しよう。ふたつ目は、カタチをデザインしてプリントして物体にすることだ。切削や切断というやり方はしてはならない。そして、3つ目は物体をスキャンすることだ。余力があれば、それをプリントするがよい。さらに余力があるようならば、君自身のスキャナを作るがよい。 いつだって3Dプリンタがベストチョイスってわけじゃない

 さて、君たちがFab LabでFab Academyを受講し始めた時、きっとこの講座は3Dプリンティングについてのものだと思っていたと思うんだ。でも、君たちはもう気づいているよね。3Dプリンタを使うことは使うんだけれども、Labの中で一番よく使われるツールでもないし、最もヘビーユースされるものでもないってことにね。  僕の感覚ではファブリケーションする上で3Dプリンタを使うのが最適な場面ってのはだいたい20%ってところだ。他のツールの方が、大きいものを作れたり、早く作れたり、強力だったりする。だから、そういう事を考慮すると、作業の20%くらいが3Dプリンタでやるべきことなんだってのが分かる。 3Dプリンタの長所と短所

 ご存知の通り、今回の講義では3Dプリンタがベストマッチする場面について、つまり3Dプリンタの長所について説明する。そして、同様に欠点についても説明しようと思う。

 これは 古い記事 だけれども、1952年にMITでコンピュータ制御のマシニングマシンが発明されたことを報じている。この時、コンピュータで制御された製造機械がはじめて作られたんだ。コンピュータがこの機械を色んな方向に動かして、材料を削り取る。これが、現在にまで継承されているコンピュータ制御の製造マシンの誕生だった。これは、前回やってもらったようにPCB基板を作る時に使うことができる。

 3Dプリンティングの起源はChuck Hullにまで時代が下る。彼は1980年代に現在『3Dプリンタ』と呼ばれるものを発明した。( 参考資料:'The night I invented 3D printing'

 これを見てほしい。彼の古い写真がある。そして、彼の現在(2016年)の姿がこちらだ。君が今見ているのは、80年代に3Dプリンティングを発明した男の古い写真なんだ。そういう訳で、3Dプリンティングっていうのは新しい技術じゃない。今じゃ速くて安くなったけれども、新しいものじゃないんだ。  そして、切削マシンとの決定的な違いは、3Dプリンタはプリンティングするってことだ。3Dプリンタによって可能になることは、切削じゃ作れないものを作ることができるってことだ。  車輪を貫通した車軸を作りたいとしよう。これは切削じゃ作れない。でも、ステージに材料を加えていくことで造形することができる。そんな訳で、3Dプリンタが他の工作機械と決定的に違う点はファブリケーションできることじゃなくて、他の方法で作ることができない部品を造形する方法を僕たちに教えてくれる点なんだ。  このマシンはサブストラクティブな方法では作れない幾何学的な形状を作るときに本領を発揮する。

つづく 講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。

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