3Dプリンタの制限
●寸法公差
もう一つ、パラメータを紹介しておこう。 例えば、車軸のあるようなものを考えてみよう。そして、これはベアリングがこのように配置される。そして、君たちはこの物体が回転したら良いのにって考えると思うんだ。 もし、物体同士の空間が十分広ければ、制限はないんだけれども、物体同士の隙間が狭い条件で、こういうものを作ろうとしたとき何が起こるかというと、分離できないんだよね。つまり、分離可能な最小隙間ってものがあるんだ。これは、プロセスに大いに依存するものだ。 また、これに関連する事柄として、君たちはこういったものをデザインして、プリンタにデータを転送する時にあることに気付くだろう。 それは多くのプリンタにおいて、実際に出力される固有の寸法は異なるってことだ。 つまり、君がプリンタに転送した寸法と、プリンタが実行する寸法は少し異なると考えていい。別の言い方をすると、プリンタが出力するものは、君がデザインしたものに公差が乗っている。
●ギャップを埋めに行く方法 そして隙間を考慮するための公差は実際にファブリケートしたモノのギャップを詳細に記述したデータから求めることができる。 そして、これがゴールの一つだ。 僕は君たちにやってもらいたいことは、グループで既存のものか、新しいファイルをグループで使って、君たちが使用できる3Dプリンタを使ってプリントしてほしい。 そして次のことを理解してほしい。まず、どれくらいの鋭角であればコーナー部が成形できるのか。どのくらいの薄さの壁が作れるのか。君が設計時に定義した寸法に対して、プリンタから出力されたものの寸法はどのような関係性になっているのか。そして、パーツ同士を分離して軸を回転させるには、どれだけ隙間を近づけることが出来るのか。 そして、特徴を把握してもらいたい。これらはプリンタによって異なる値だし、素材ごとにも異なる。3Dプリンタを初めて使うときは何よりも特徴を把握することが要求される。 単にクリックしてプリントすりゃ良いってもんじゃないんだ。そうではなくて、プリンタと素材を評価して、どんな風にデザインするのが良いのかを理解するんだ。
(つづく)
講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。