3Dプリンタの制限
●速度 加えて、プリンティングは他のプロセスに比べて遅い。それなりの部品をひとつ成形するのに何時間もかかる。小さな部品だったら、数分で作れるけどね。でも、それなりの部品だと何時間もかかるんだ。
●用途 また、ハイエンドの商用マシンとローエンドのDIYマシンじゃ大きな違いがある。ハイエンド商用マシンは材料も篦棒(べらぼう)に高い。小さな部品を作るためだけに、ざっと数百ドルかかる。 ベンダーってのはホントにケチな商売をしている。彼らはプラスチックにコピーライトプロテクションを施している。彼らの供給する素材じゃなきゃ動かないんだ。だから、君たちにこれは言っておかなきゃならない。一般的にだが、ものすごく特別なことをするのでない限り、コピープロテクトされていない素材を使うことのできるプリンタを用いるべきだ。本当にハイパフォーマンスを求めて、商用のマシンを使うっていうんであれば意味があるけどね。 一方で、DIYマシンを使う際も、君たちには素材をプリンタに供給できるかどうかは確認してほしい。いずれにせよ、マシンは魔法なんかじゃないんだ。
●サポート材 もしも巣穴状の構造を作ろうとしているのなら、サポート材でサポートしてやる必要がある。そして、間接的な処理にはいくつもの戦略を用いることができる。 もしも、ひとつしか素材を使えないプリンタを使っているのであれば、あとで壊してしまえるようなサポートを作る必要がある。他のものより優れたサポートを作ることができるプリンタもある。 でも、依然として制限はある。君たちはそれらの制限に対処できるようになる必要があるんだ。 もっと進歩的なプリンタは溶融させるか溶解させることでサポート材を取り除くことができる。 そしてそれらは本当に素晴らしい。なぜなら完全に周囲を囲まれたパーツをつくることができるからだ。サポート材を溶かして取り除くことができるからこういう事が可能なんだ。 でも、往往にして、そういったプリンタは格段に高価なものだ。入門者向けのエントリーモデルではない。
●内部構造
そして、最後の注意点だが、これも先程の項目(サポート材)にも関連する。 素早くモノを作ろうとするときは、密度の高いパーツを作らないようにするのが普通だ。ほとんどのプリンタに付属しているソフトウェアは、体積と密度の値を入力することができる。 速く作りたいときは、内部により少ない格子構造が形成されたパーツを作ればいい。内部の構造を埋めるために時間を費やすことはない。ものすごくダメージを受けやすい構造を作るのではない限りはね。 まばらな格子構造を作ることで、成形時間を短縮することができるんだ。
(つづく) 講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。