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Lesson 5. 3Dスキャニング & 3Dプリンティング §8. 光造形法と熱溶解積層法およびその応用

光造形法

さあ、次の項目に移ろうか。 まず最初のプロセスとして、光造形法について話そう。

(図:光造形方式の3Dプリンタの例 Form2 by Formlabs)

このプロセスではレーザーを使って、対象の部分にあるレジンを硬化させ、それ以外のレジンを取り除く。そして、この方法を発明したのはChuck Hullだ。彼は3D Systemsという企業を興し、それは今でも光造形機を販売している。 僕はまた後で、もう一度戻って、この事について話しておこうと思う。

熱溶解積層方式(FDM) 次に、Stratasys社はレーザーでレジンを硬化させる代わりに、熱溶解積層方式(FDM)を採用した。プラスチックを加熱されたヘッドの中を通して絞り出す。今のところ、DIYマシンに対して最も使用されているプロセスだ。

(図 FDM方式3Dプリンタの例 Ultimaker3 by Ultimeker)

大雑把な言い方だけれども、光造形機の方が解像度は高い。一方、FDMは構造の観点で良好な部品を作成することができる。これは、射出成形で造形されたプラスチックと(強度的に)近い。そして、この方法はStratasys社の技術に基づいたものだ。 そこからスピンオフした企業がいくつかある。 これはMITの同僚、 Neri Oxman の論文だ。彼女はFDMに関する美しい作品を製作してきた。ガラスを使ってね。

そして、彼女のグループはFDMプリンタを製作した。これは、ガラスのビードを均一に加熱して、プロットするマシンだ。そして、それはFDMマシンに関連した本当に面白い取り組みだ。素晴らしい進歩とともにもたらされた、素晴らしい美しい部品だと思わないかい? そしてお次はUSC(南カリフォルニア大学)の同僚、 Behrokh Khoshnevis だが、彼はコンクリートでFDMを行った。彼はものすごく分厚いコンクリートを押し出すことのできるヘッドを製作したんだ。建物を印刷するためにね。

彼はこんな裏技を使った。 普通のFDMプリンティングでは素材のビードをプリントするんだけれども、彼は射出する前に大量の素材を移動させてやったんだ。ビードを押し出すヘッドのところまでね。 彼のマシンには、特別な部分がある。それは、ロボティックな「こて」だ。コンクリートを広げる時に使うアレだね。で、そいつが何をやるかって言うと、それは表面の角度がセットされていて、押し出したモノを整えるんだ。これは、小さなビードでちまちま表面を作るよりも良いやり方だ。こうやって、大きなモノをプリントすることができるんだ。 この「こて」、つまりこの板は角度を調整することができて、それによって表面を整えることができる。そして、この機能がある事により、もしも大量の材料を動かしたいと思った時も、多くのパスを格段に粗い解像度で成形することができるってわけだ。そうでありながらも、滑らかな表面を作ることができるんだ。 そして、これが彼の Contour Crafting だ。彼は巨大なガントリサイズのエクストルーダ(押出機)を製作した。 その他にも、MITが関わったプロジェクトを紹介しよう。MITからスピンオフした ZCorp は3D Systems社に買収された。 受講者:すみません、ちょっと良いですか?僕はCarbon 3D社のことを訊きたいのですが、よろしいですか? ああ、彼らの存在は知っている。でも、あまり知らないんだ。だから、すまないが、一旦僕の話を続けさせてほしい。その後に、質問なりコメントなりしてもらえればと思う。 受講者:分かりました。

インクジェット粉末積層方式 さて、続きだ。ZCorp社は3D Systems社に買収された。MITのスピンオフだった。彼らのプロセスの面白いところは、粉体のベッドを用いるところだ。そこにインクジェットのヘッドで粉体を結合させるバインダーを印刷するんだ。このプロセスのオススメなところは、ひとつは色のついた部品を作ることができる点だ。そして、もう一つはサポート材に関する最も優れた解決策を提示している点だ。なぜなら粉体のベッドの上でプリントするため、非常に複雑な構造を作ることができるからだ。 一方、このプロセスの短所は、構造的に弱い点だ。この方法では粉体が弱い結合で積み重なっているだけだからね。 そう言うわけで、このプロセスは装飾的な部品を作るのに使うことはできるが、あまり良い構造部品を作るのには向いていない。そして、この製品は、今は 3D Systems のライン に加えられている。

つづく

講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。

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