今回の課題
さて、ここで今回の講義の最初の話題に話を戻そう。 ①デザインルールの確認 僕が最初に君たちにやってもらいたいことは、君たちのLabにある3Dプリンタを使いこなす上でのデザインルールを確認することだ。 ②3Dプリントしよう そして、デザインしたものをプリントしてほしい。デザインルールが確認できるまではプリントしてはならないよ。3Dプリントには数時間くらい時間がかかる。 だから、このことによりプリンタの使用時間に制限が生まれる。そして、それは君たちの使うプリンタに依存する。いくつかの物体を一度にプリントすると、早く作ることができるだろう。一旦デザインができてしまえば、ドラッグしてプリンタにデータを転送しよう。
③3Dスキャニングしよう
そして、その後は異なるタイプの3Dスキャニングを試して見てほしい。 先週とは打って変わって、これはクリエイティビティを発揮する楽しい課題だ。君たちは面白いモノをつくることができる。そして、君たちがサブストラクティブな方法では作れない形状で、プリントして作ることができるものを探索してほしい。 そして、理想的には、君たちの最終プロジェクトに関連するものを今回の課題で製作してほしい。 必ずしもそうする必要はないけれども、最終プロジェクトに関連するものを作ることができるのであれば、最終プロジェクトを前進させてほしい。 質問コーナー①どうして3Dプリンタと呼ぶの? では、質問コーナーだ。 受講者:どうしてこの技術は3Dプリンティングと呼ばれているんでしょう?3Dメイキングでもいいと思うんですが。私は、この名前の方が全ての方法に適用できると思うんです。 いい質問だね。 この名前はChuckに由来するものだと思う。そして、彼はこの技術をそのように呼んでいたと思う。そして、それが積み重なったのだろう。 このことによって多くの酷い仕打ちが行われた。なぜなら、それによって人々は3Dプリンタはただ家にあるようなプリンタのように作動するかのような誤解を与えているからだ。そして、何でもプリントできるような誤解を与えている。 そして、その構成要素を理解するのを妨げているんだ。 しかし、全ての元凶はいつだってChuckがそう呼んだことに起因するのだと僕は思う。 実際のところ、僕はこの言葉の起源については知らない。今、君がくれたコメントについて僕は考えてみたこともなかった。 Ohad:僕はこう思うんです。普通の2次元のプリンタを、開発している人たちがいますよね。例えばhpはインクジェットプリンタを開発してます。 もし、3Dプリンタ的なものを開発している人たちがいたとします。他の人たちから見たら彼らが何をやっているのかピンと来ないでしょうね。だから、彼らは2Dじゃなくて3Dのプリンタだって言ったんだと思いますよ。「それは何だい?」「プリンタみたいなもんだよ」って感じでね。 受講者:私は個人的にはミステリーはミステリーのまま置いておいたら良いんじゃないかと思います。 ああ。これは、素晴らしい問いだ。なぜなら僕は今まで誰が3Dプリンタという名前をつけたのか訊かれたことはなかったからね。このトリビアについて調べてみようか。 Ohadはどう考えている?どうしてみんな、誰が3Dプリンティングなんて名前をつけたのかっていう疑問を抱かなかったんだろう? Ohad: 僕は名付け親はGershwin Millerだと思うんですよ。この技術の根底にあるアイディアをそう呼んだんです。彼はhpのインクジェットプリンタを開発するチームに在籍していました。で、彼の友人が彼の開発しているものについて質問したんですが、彼は何て表現すればいいのか見当がつかなかったんです。3次元形状の物体を作るその機械のことをなんて呼べば良いのか分からなかった。だから、彼はこう謂ったんです。「僕たちはプリントする。ただし、3次元でね。」と。これがコトの顚末だと思いますよ。 なるほど。 何度も言うけれども、これは面白い質問だった。 僕は、この技術の意味することが翻訳ミスされたことにより多くの害悪がなされたと考えている。 なぜなら、人々はFab Labに3Dプリンタを見に来て、それを他のコンピュータ制御の製造マシンとは異なる特別なものだと勘違いしてしまっているからだ。 多くの興味深いプロダクトのプロセスの多くは、アディティブかサブストラクティブかに関わらず、コンピュータで制御された製造プロセスだってことだ。 だから、3Dプリンタっていう名前はやっぱり適さないよなあ。いやあ、面白い。 (つづく) 講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。