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  • ahedgehogchase

Lesson 8. 組み込みプログラミング §10. クロック数

クロック数 次に、時間についてお話ししよう。

チップ内部にはキャパシタの抵抗を利用した時計が搭載されている。キャリブレーションされていない状態では10%程度の誤差があるが、キャリブレーションすれば1%程度に収まる。これが内部クロックだ。 外部クロックを追加することもできる。これはセラミックでできている。 受講者:すみません。質問です。時間の誤差のパーセンテージは何を基準としたものですか? 正確な時間に対してだ。通信するときに、これは重要になる。1秒の長さが、真の時間に対する近似であるのと似たような考え方だ。いくつかの事柄に対してはこの事に無頓着でも構わない。しかし、例えばホストコンピュータと通信する際に、適切な時間を教えてやらなきゃならない。 だから、そういう時には外部のセラミックの結晶からできた外部クロックを用いてやればいいんだ。それらは誤差を半減させるくらい良いものだ。でも、水晶振動子を使用できるのであれば、キャリブレーションすら必要ない。それは100万分の1の誤差という高精度のものだからね。 もっとも、これは時間の計測をどれだけ正確に行いたいかによるけれどもね。

 

●位相同期回路(PLL) さて、プロセッサには位相同期回路(PLL: phase lock loop)と呼ばれるものを搭載している。これは低周波数から高周波数の発振が可能で、これカウンタとして使うことができる。

 

●プロセッサの速度を変化させる

①高速化 加えて、プロセッサのクロック数には余裕がある。これを使えば、実際にプロセッサを仕様よりも高速に作動させることができる。 プロセッサには仕様があり、いつだってそれに基づいて作動するものなのだけれども、信頼性を確保するために少しばかりの余裕をもたせてあるものだ。 そういうわけで、実のところ君たちはメーカーが謳っているよりもほんの少しばかり高速にプロセッサを作動させることができる。そして、たいていそれらは良好に作動する。 これらのプロセッサはインストラクションセットを搭載していて、典型的なのは、RISCプロセッサが各々のインストラクションを使用していることだ。それらは1クロック間でひとつの命令を実行する。 そしてATtiny44は外部の共鳴装置を用いることで、20MHzという、このデバイスで達成し得る最高速で動作させることができる。これが意味するところは、1秒間に2千万回の頻度で命令を実行するってことだ。

②低速化(省電力化) さて、一方でプロセッサをそれよりも遅くして作動させるという選択肢もある。理由は消費電力がクロック数に伴い増加するからだ。 そして、もし君たちが想定しているアプリケーションでは、プロセッサをそれほど高速に作動させる必要のない場合、クロック数を落としてやれば、プロセッサの消費電力を抑えてやることができる。

③スリープ機能 また、もしもプロセッサにスリープ機能があることを知っていれば、スリープ機能を使うことができる。そして、スリープさせた機能は、復帰させようと思えば復帰させることができるものだ。

 

●クロック数と電圧

受講者:質問です。まず、プロセッサを駆動させるのに用いることのできる電圧の範囲ってものがありますよね。たとえば僕は2ボルトとか1.8ボルトまで下げようかなと思っているんですけれども、電圧を低くすると、クロック数も低くなるんですよね。 ああ。電圧とクロック数に相関関係はある。そして、それが顕著なのは高速のクロック数を必要とする際にで、電圧を高くしてやらねばならない。しかし、これはプロセステクノロジーにも関わってくることだ。 Atmel社の製品には、tinyシリーズやMEGAシリーズがあるが、XMEGAはこれらのファミリの中でも最新のものだ。これは高速のクロックを生成することができる一方で、低電圧で駆動する。なぜならば、これはよりアグセッシブな製造プロセスを用いているからだ。 そして、その事については少し話しておかねばなるまい。 つづく 講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。

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