top of page
  • ahedgehogchase

Lesson 9. 機械設計§6. 部品同士の固定

接着剤に関する考え方 ●一般的に接着剤の使用は避けるべき また、部品同士を固定する材料もある。部品同士を固定する場合、一般的には接着剤を用いる。僕が好んで用いるのはアクリル系の接着剤だ。これは、大きな部品から小さな部品までいろんな用途に使うことができる。 でも、基本的に接着剤を用いることは避けたい。なぜならば、境界面のスペースが必要となるし、一度接着してしまうと元には戻せないからだ。変更を加えることができなくなる。 だから、適切に機械設計を行う上で、接着剤を用いることはあまりない。 ●ロックタイトはネジ緩みを抑える Nadya Peek:ロックタイトは便利ですよ。ネジをナットに締め込んだとき、機械が振動する場合があります。そうすると、ネジは緩んでしまいます。そんな場合に、ロックタイトを用いれば良いのです。ロックタイトはネジの固定に特化した接着剤です。そうすれば、機械の振動も低減できるでしょう。

ああ、それは良い使い方だね。

締結部品 ●ボルトとナット ここで、ボルトやナットについてお話ししよう。ボルトやナットには多くの種類がある。頭の形状や、バックラッシュのないものなど、いろんなデザインがある。 Nadya Peek:ロックナットっていうなもありますよね。 ああ。 Nadya Peek:ロックナットはナイロン製のインサートを内蔵しています。もしくは、バネが予め仕込んであったりします。このような構造によっても、機械の振動によってナットが緩まないようにすることができます。このような方法を用いて、ネジやナットが確実に緩まないようにすることができます。 ●ワッシャ ここで、なぜワッシャを使うのかを説明しておこう。ワッシャは、負荷を分散させるために用いられる。しかし、そこには他の意図がある。ロックタイトや、ロックナットとは別の意図があるんだ。それは、ナットが(通し穴などに)落ちてしまわないようにするってことだ。ワッシャはナットとボルトに均一に負荷をかけて、それが動かないようにしている。 

 ●Bre Pettisの失敗 君たちにやって欲しくないことは Bre Pettis ( MakerBot の創業者)の失敗を繰り返して欲しくないってことだ。 彼は、機械設計のジョブトレーニングを受けていたんだが、その時に作ったオリジナルのMakerBotはボルトとナットの使い方が酷かった。なぜならば、デザインを見てみると、ナットとボルトは実のところベニヤ板に食い込んでしまっているからだ。 そうすると、何が起こるかというと、ベニヤ板が変形してしまうんだ。長い時間をかけて機械全体が少しずつ動いてしまって、外れてしまう。

つまり、君たちは、ナットとボルトにどのような負荷がかかるのか、そしてどのようにその力に対処するかを考える必要がある。 しかし、ワッシャを用いて負荷を分散させるための方法は多く存在する。ボルトの種類、全ての種類のナットはそこにかかる負荷を考慮して選択しなきゃならない。 ●ピン 部品同士の固定を行う方法をもうひとつ挙げるならば、ピンを用いる方法は良い方法だ。 例えば、傾斜のついたピンは非常に素晴らしい。これは、ほんのわずかに傾斜がついたピンだ。 例えばここに2つの部品があるとして、双方にクリアランス(設計値よりわずかに大きな隙間)のある穴を設けるとしよう。そして、このピンを中に入れ込む。そうすると、わずかな傾斜がくさびの役割を果たす。 そうやって、部品同士が固定されるんだ。

その他にもピンの使い方はある。

これらの cotterピン やclevisピンは容易に取り外せるタイプのピンだ。つまり、君たちは部品同士を取り外せるということだ。接着剤を用いる代わりに、これらのピンで拘束する。これらのピンを用いることで一時的に部品同士を固定することができるが、作業後や、必要のなくなった時にそのような拘束を解除することができる。 

( つづく ) 講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。 



閲覧数:5回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Lesson 13. 出力デバイス §7. オーディオ

●オーディオ 次はオーディオについてだ。 これはインベントリにリストアップされている40セントの小型スピーカーだ。諸君はこれを用いて音を作ることができる。そうするためには、僕たちはここで電流のスイッチングを始めなくちゃならない。 つまり、それは僕らがMOSFETトランジスタを取り扱うということを意味する。 MOSFETのパフォーマンスは本当に素晴らしいものだ。技術者たちがしのぎを削って開発してきた

Lesson 13. 出力デバイス §6. 動画出力

●動画出力 次は動画についてだ。 この例では、テレビにテストパターンを表示させている。つまり、この例は動画の波形の生成以上のことは何にもしちゃいない。そうなんだけれども、僕はテストパターンをテレビに動画のアウトプットとして表示している。 何をやっているか説明しよう。これが基本的な波形だ。ビデオには多くのスタンダードが存在する。最もシンプルなものは、モノクロのものだ。そして、非常に特殊なタイミングと

Lesson 13. §5. 液晶ディスプレイ

●液晶ディスプレイ さて、3つ目の出力デバイスは非常に有用なものだ。 液晶ディスプレイ(LCD)だ。そして、これが液晶ディスプレイだ。ここにテキストを送っている例をお見せしよう。 このデバイスは非常に携帯性に優れている。だって、こうすりゃ諸君らのプロジェクトでもさ、文字を出力できるコンピュータを使わずして文書を表示できるんだからね。 でも、そうするにはどうすりゃ良いんだろう? これは16×2文字の

bottom of page