top of page
  • ahedgehogchase

「自動化ツールの仮装装置制御のためのGestaltフレームワーク」を読む §14. 数値制御を民主化せよ

家庭に○○は必要ないのか かつて、「コンピュータは家庭に必要ではない」と言い放ったのはKen Olsenだ。その感覚は、当時の一般市民の感覚と乖離したものではなかっただろう。しかし、この言葉は彼の先見の明のなさを示した迷言として有名になってしまった。一応、彼の名誉を回復するために付け加えておくが、彼がこの時に言及していたのはパーソナルコンピュータではなく、家庭の制御用コンピュータのことだったらしい。彼自身は家にコンピュータを所有していることを公言していたとも言われている。結局のところ21世紀にホームオートメーションが普及しだしたので、その観点からも予言は外れてはいるのだけれども、元々はそういう意図だったようだ。 それでも、歴史は韻を踏むので、僕たちはまたこんな予言をしかねない。「製造装置なんて家庭には必要ない」とね。いや、実際必要ないでしょ、と思うのが普通だ。でも、僕はこのようなマシンが僕たちのセーフティーネットとなるだろうと考えている。ベーシックインカムにより最低限のお金を得ることによるセーフティネットの構築という考え方も僕は素晴らしいと思うのだけれども、コルヌコピア(豊穣の角)のような製造装置があれば、自らベーシックインカムのようなモノを掴み取ることができるのではないかと僕は考えている。 それが可能になるには、使うのが簡単で、かつ、確実に出力可能な装置が必要だ。「床を下げる」装置の存在が必要不可欠なのだ。 数値制御を民主化せよ (以下引用) 個々の設計者が仮想オブジェクトを作成するためにこれらのすべての手段を使用することで、仮想世界と物理的な世界の間の変換を行うためのツールが等しくアクセス可能になることが重要だ。 大量生産に革命をもたらした数値制御は、近代以降、権限を与えられた設計者にとって非常に有用なツールだ。ほぼ完全に自動化された数値制御ツールは、同様の手動制御機械の操作にこれまで必要とされてきた専門的スキルの多くを不要にする。フライス加工の場合、複数の同時軸の正確な調整、すなわち高度に熟練した機械工でさえ難しい作業が、コンピューターによって実行される。送り速度は厳密に制御されており、ドリル穴のようなフィーチャーの位置決めは揺るぎない精度で行われる。手動で行われていた記述を抽象化することの利点は2つある。第一に、これまで習熟するために何年もの訓練を必要としていたツールが、初心者がわずか数分触れただけで利用可能になる。次に、これらのツールの出力は時間的にも空間的にも一貫していまる。 1つのツールで特定の設計入力に対して確実に同じ出力が生成されるだけでなく、同じ設計で同じ種類の異なるツールでも同じ結果が得られる。後者の利点はデザインを世界規模で共有し再現する能力に大きな影響を与える。 広く利用可能なツールによって、幾何学的なレベルではなく論理的なレベルでバーチャルマターと対話することが可能になるため、デザインがより簡単でアクセスしやすくなった。パラメトリックデザインのような技術は、ジオメトリーの共有とデザインロジックの再利用を可能にする。同時に、物質と相互作用するためのツールはほぼ自動化された。これらの技術的な力によって、モノのデザインと構築に関する多くの社会運動が可能になった。 「パーソナルファブリケーション」とは、MITビットアンドアトムセンターのNeil Gershenfeld教授が、より大きな市場の需要や利益を上げる可能性を気にせずに、自分だけで製品を設計するように動機付けられているという事実を表すために使用される用語だ。Gershenfeld氏は、「結局のところ、コンピューティングのようにデジタルファブリケーションにおける「キラーアプリケーション」はパーソナライズであり、1人の市場向けに製品を製造することだ」と述べています(Gershenfeld、2012年)。デジタル製作ワークフローは、個人が製品全体を自分自身で設計し生産するという個人製作の活動をサポートするのに非常に適している。これには、力学、電子工学、およびソフトウェアの分野における設計スキルが必要だ。したがって、他の人々の仕事から学び、それを発展させる能力は不可欠なのだ。さらに、個人が所有する予算はしばしば乏しく、プロトタイピングおよび製造のための習熟の容易な低コストのツールを必要とする。 つづく 引用: 自動化ツールの仮装装置制御のためのゲジュタルトフレームワーク (Ilan Moyer) 目次はこちらから→ 【和訳版】FabAcademy 2016

閲覧数:3回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Lesson 13. 出力デバイス §4. LEDマトリックス

●LEDマトリックス 次に紹介するのはLEDマトリックスだ。 動作しているのを見てみると、ディスプレイの一部分が表示されているのが見えるだろ? 僕はディスプレイの一部分を用いてラスタリング(画像を色のついた格子状のドットで表現すること)を行なっているんだ。 ●Charlieplexing これは便利な技で、Charlieplexingと呼ばれる。 このLEDは大量購入すると6セント

Lesson 13. 出力デバイス §3. 調光LED

●調光LED さあ、ここから僕は多くのデバイスを紹介していこう。 最初に紹介するのは、色調を変化させることのできるLEDだ。色を周期的に変えることができるんだ。 これが、その部品だ。 この部品には赤と緑の、青のLEDが1つのパッケージに含まれている。大量購入すれば、40セントで買うことができる。これらはスタジアムとかにある巨大なディスプレイに用いられていて、これがスタジアムでは1ピク

Lesson 13. 出力デバイス §2. 電源

●電源 今回の課題のゴールはたくさんのバッテリーを使うことじゃない。モバイルにしなくちゃならない場合を除いてバッテリーを使うのはお勧めしない。一般的には各Labは各種電源を取り揃えているはずだ。 今から紹介するベンダーMARLIN P. JONES & ASSOC. INC.は数多くのベンチサプライ(電源)を取り扱っている。 きっと諸君はこれらの各種電源をプロジェクトに用いることになるだ

bottom of page