DAWの登場により、アマチュアミュージシャンは本格的な音源を自分の手で作り出すことが出来るようになった。これと同じように、アマチュアのメイカーも本格的なものづくりが出来るようになる兆しが見えてきている。デジタフファブリケーションの技術が普及していくことによって、その時代は実現しようとしている。でも、まだ音楽ほどは自由ではない。原理的にはデジタルデータであれば、自分の作ったものを瞬時に世界中に届けることができる。もちろん、デジタフファブリケーションもデジタル化データを駆使しているから、やろうと思えば同じ事をすることは可能だろう。でも、音楽でいう再生機にあたるもの、つまり3Dプリンタが、一般的に普及していない。さらに、3Dプリンタが普及していたとしても、それを組み立てて、足りない部品は買わなければならない。まだまだお手軽に自分の作った「もの」を人に届けるにはハードルが高いのだ。
デジタフファブリケーションが真に普及するには、部品の製造と、完成品の組み立てを自動化する必要がある。 もちろん、完成品を売るという方法もあるが、それはそれでノウハウの塊なので一筋縄には行かないというのが現状だろう。PL法が課せられる場合も想定して、かのり慎重に事を進めなければならない。 でも、時代は進む。きっと、僕たちの前に立ちはだかる壁は越えられるものになるはずだ。そのトリガーになるのはAIじゃないかと思っている。というのは、AIに一流のエンジニアの思考法を叩き込み、方向付けは人が行うというスタイルができれば、かなり壁が低くなるはずだからだ。物理法則、最先端技術のキャッチアップ、法規制など専門知識をAIに補ってもらいながら、人間はビジョンを策定し夢に向かって進むという方向が理想的なのではないかと思う。もちろん、人間が技術を身につけるのは望ましい事だし、そうした方が有利なのは間違いない。でも、もっとカジュアルに取り組めるようになるには、AIとの協働が一番効率的だろう。というのが、僕の意見だが、どうやったらそれご実現可能なのかはよく分からない。どうすれば良いのか、これこらも考え続けていこうと思う。