デジタル工作機械はみんなプリンタ
さて、CAMはコンピュータ制御の製造に不可欠のものだ。ビニルカッターとレーザカッターで小さな形状をカットしていくというのが今回の課題だ。ここには、デザインをナイフの軌跡や、レーザの軌跡に変換する過程が含まれる。この2つの方法は、ビニルカッターにしろ、レーザカッターにしろ、どちらもプリンタドライバを搭載している。だから、これらの機器をプリンタとして捉えて欲しい。 そして、ここでFabModuleの登場だ。FabModuleやオンラインFabModuleはGitHubのプロジェクトでもある。Fioreが管理し、GitHubでサポートも行なっている。FabModuleは異なるフォーマットを読み込むことができる。そして、異なる種類の機械と通信することができる。こんな芸当ができる理由は、プリンタドライバにある。ひとつの特性として、プリンタドライバはOSへの依存度が高い傾向がある。だから、これらのドライバは機械ごとにみんな異なる。ドライバは、君たちがどんな風にその機械を使うか仮定を立てる。その結果、僕たちはプリンタドライバと無益な戦いを繰り広げてしまうのは良くあることだ。しかしFabModuleを使えば、普遍的なワークフローにより、どんな機械にでも動かすことができる。 僕が現在取り組んでいるのは、Modsフレームワークだ。これは、FabMiduleの進化版で、君たちにも今学期中にお披露目しようと思っている。 僕がお勧めするやり方は、両方のやり方を試すことだ。つまり、今回の課題を進めるときに、ネイティヴのプリンタドライバを使ってみた後で、FabModuleのワークフローも習得して欲しいんだ。そうすれば、君たちはこう思うはずだ。「ああ、自分はまだ初心者なんだな」ってね。でも、知れば知るほど、君たちはプリンタドライバのことが好きになると思うよ。そして、色んな操作方法をやってみたくなったり、またはそのような操作が必要になった時こそ、プリンタドライバを捨て去り、FabModuleワークフローを使い出す時だ。
(つづく)
講義の目次は【和訳版】FabAcademy 2016からご覧ください。
※この記事はFabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。