花形マシン、レーザーカッターについて
レーザカッターに話を移そう。これで、彫刻を作ることができる。だから、これを使ってできることの1つは材料の上に何か模様を彫刻することだ。そして、形状を切り出すこともできる。レーザーカッターでは、ラスターとベクター両方のデザインツールで作ったデータを使うことができる。 ラスターを使った場合、光線が前後に拡散して対象の場所における強度が足りなくなってしまうことがある。十分な強度で切断したい場合はベクターを使って切断する。これは、これまで最も一般的なやり方だ。
切断するときに、強度を変えることもできる。ここでは、グレースケールの強度を例にしてみようと思う。最初から切断してみよう。最近いくつかの文字を描画した。僕はよく他の文字を書いた。この場合、ここにSVGデータが明るい軌跡と暗い軌跡で描画されている。
図 レーザーカッターを使った作例(FabAcademyより)
これは、旧タイプのFabModuleだ。このFabModuleを使って、レーザの強度をマッピングしよう。ここで明暗で表現されたビットマップをもう一度お見せしよう。これを元にレーザの強度としてマッピングする。
また、ベクターモードにして、形状を描画することもできる。レーザの強度は変えることが可能だ。プリンタドライバを用いることで、典型的な切断ができる。レーザープリンタでもデザインしたものの色の状態とレーザーの出力の相関性を細かく設定して出力しているが、そんな感じだ。
レーザを用いてできる事を、もうひとつ挙げよう。スクリーン印刷だ。今年は、たまたまこんなものを持っている。これと距離を撮った状態でライトを光らせると、見えてくる。ダビデの顏が見えるだろう?でも、近くに寄せると見えるのはまるで新聞記事みたいに細かい大量の小さな穴だ。
図 レーザのスクリーン印刷で作られたダビデ
(FabAcademyより)
図 ダビデ拡大図(FabAcademyより)
こういうイメージを作るのははラスタとは大分様相が違ってくる。レーザの出力強度の代わりに、穴の大きさを大きくしたり小さくしたりしているんだ。これは素晴らしい特性だ。 その特性のひとつとして挙げられるのは、孔を開けるかどうかに関わらず、たった1ビットの深さをコントロールできるということだ。この特性は素材やレーザの出力によって変化しない。一旦このやり方を覚えれば、レーザカッターをグレースケールのスクリーン印刷に使うことができるようになる。また、このやり方で塩化ビニル板のスクリーン印刷もカバーできる。 また、このやり方ではインクの量を変化させることができる。つまり、網版のようなぼかしの入ったスクリーン印刷も可能だ。そして、先ほど見せたように光を通すような美しい物も作ることができる。君たちもこのような半透明の光のグラデーションを作り出すことができるんだ。近寄ると新聞記事みたいに細かい孔の集合体に変貌する。美しいと思わないかい。
(つづく)
講義の目次は【和訳版】FabAcademy 2016からご覧ください。
※この記事はFabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。