レーザーの出力
ついに全ての準備が整ったとしよう。レーザーカットを始めるにあたって、出力は低くしておく必要がある。このままでは貫通しない。だが、出力が大きすぎると素材を台無しにしてしまう。スピードに関しても、速くしすぎると貫通しない。最低速にしたりして、スピードが遅すぎると、時間の無駄になる。しかも、もっと悪いことに、素材にエネルギーを与え過ぎたことにより、素材に損傷を与えることもある。最悪の場合、その素材は台無しになる。 単位時間あたりの照射回数
単位時間に、レーザーを素材に照射する回数も設定できる。よく用いられるのは、パルスを使う方法だ。パルスの間隔が大きい場合、もはや連続的ではない。 もし、パルス間隔が短かすぎる場合は、時間あたりで、ある場所に照射するレーザーの出力が大きくなりすぎる。 これらのパラメータの適正値はそれほど多いものではない。だから、君たちのLabで使う素材ごとに設定値の表を作っておくべきだ。
原点を見つめ直すべし 他の注意点をもう少し話しておく。それは、ひとつのレーザーカッターに対して異なるドライバを確実に使えるようにすることだ。つまり、これは原点に関するオプションを持つということになる。 例えばあるドライバを使った時に、原点が時々左上にズレるなどの情報を知ることだ。これが、描画位置の基準になる。これが時々ずれる。そんな場合は、ちょっと試し切りして、どこが、原点なのか理解しよう。
ベクターかラスターかそれが問題だ
そして、ベクターやラスターを、見直してみるんだ。一般的に、ラスターはイメージの彫刻に向いている。そして、ベクターは形状を切り出すのに向いている。 しかし、特にFabModuleにおいては、ベクターをマシニング的に用いることもできる。 ラスターを用いて彫刻する操作と、ベクターを用いてカットする操作の間には大きな乖離がある。しかし、その中間に位置するものが実際には多くあるのだ。ベクターを使って濃淡を出すことも可能だし、ある人はツールパスをマーキングのために使うこともあるだろう。ベクターによるカッティングするみたいな感じでね。でも、これらは全く別の操作だ。
(つづく)
講義の目次は【和訳版】FabAcademy 2016からご覧ください。
※この記事はFabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。