回路を削り出すエンドミル
マシニングで機能する回路を作るには、このような小さななエンドミルを使う。ひとつ掴んでみよう。袋から取り出して、ビデオで撮ってもらおう。これが64分の1インチのエンドミルだ。(訳註:Carbide Depot社製のものを見せている)といっても、ビデオの解像度じゃ見えないだろうけれどもね。それほど、小さなものだ。僕の背後にあるのはミリングマシンだ。そして、僕らはこれを使って基板をマシニングで製作しようとしている。
図. 1/64インチのエンドミルのカタログの例
回路を削り出す方法の利点
この方法の長所は何だろうか。ここにチュートリアルがある。マシニングによる回路製作が優れている点は、セットアップが必要ないことだ。どんな場所であっても、大差はない。そして、これは埃のある環境で回路を製作するための唯一の方法でもある。化学薬品を使わないことで、このような芸当が可能になるんだ。埃が出てしまっても、拭いてしまえばいい。
図. クリーンルーム内での作業風景
マシニングによる製作ではこのような高額な設備を必要としない
マシニングを使う上での欠点は、エッチングほど簡単に形状を作れないことだ。主な問題は、全ての工程をマシニングで行う必要があることだろう。しかし、同時並行的に連続してマシニング加工を行えば、大幅な時間短縮が可能だ。それに、基板のプロトタイプを作るには、これは持ってこいの方法だ。
ただし、量産となると話は違ってくる。しかし、素晴らしい基板メーカーがあることに、僕たちは気がついた。量産を行うのであれば、彼らは君たちのために力を貸してくれるだろう。
だから、僕はマシニングプロセスを用いてプロトタイプデザインを行う方法を教える。それは、エッチングによる基板製作の準備にもなる。君たちが作ったプロトタイプを量産を担う基板メーカーに見て貰えばいい。このやり方は、割と手軽にできるし、環境安全の観点で有利だ。何しろ化学薬品を使わないのだから。 (つづく)
講義の目次は【和訳版】FabAcademy 2016からご覧ください。
※この記事はFabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。