半田付けして回路を組み立てよう
基板をマシニングで製作する際、当然、君たちは実装したいコンポーネンツを持っているだろう。いま、僕たちがやらなきゃいけないことは回路の組み立てだ。つまり、半田付けをしなきゃいけないってことだ。これは、驚くほどシンプルだ。魅力的とさえ言える。しかし、非常に絶妙なものでもある。 半田というものは共晶である さて、注目してほしい。鉛と錫の例を示そう。(グラフを描く)
図. 共晶の状態図
このグラフの横軸は含有量の割合を、縦軸は温度を示している。ここに、ふたつの金属からなる合金があるとする。それぞれの金属には融点がある。しかし、これらが溶け合った時に融点が大きく下がる点が現れる。これは共晶と呼ばれる状態だ。そして、半田は共晶のひとつだ。鉛と錫の合金は僕たちにも馴染みの深いものだ。 しかし、実際にはこれよりも高温で溶解するものが使われることが多い。Rohs指令は、欧州において標準化された重金属に関する規制だ。Rohs指令は鉛と錫の合金を用いた半田を使用することを禁止している。例えば銅と錫の合金などはRohsで規制されない。
でも、このような半田は高温で使用することになり、使いにくい。だから、通常僕たちは鉛を含んだ半田を使う。環境には良くはない。しかし、少しだけ使う。 もし、君たちが地球環境に対して誠実でありたいと思うのであれば、鉛フリーの半田を使えば良い。でも、それらの半田は扱いにくいし、半田の使用量はほんの僅かなものだ。問題になるような量じゃない。
(つづく)
講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。
※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。