小さな構造から大きな構造を作る
さて、次は大きなスケールの話をしようか。NASAにいる卒業生が今日の講義を見てると思うんだけれども、彼の話をしよう。 もし、君たちがジャンボジェット機を作りたいときには、君たちはジャンボジェットのサイズのツールが必要だろう、と思うよね。 彼がやろうとしていることは、カーボンファイバーの小さなループ状の構造物から、巨大なものを作り出すことだ。
そして、彼はとても影響力がある論文を書き上げた。この論文はサイエンス誌に掲載された。この論文で彼は、もしもカーボンファイバーのループ構造を作ってつなげたとしたらどうなるだろう、ってことを提示したんだ。 そして、同時にこの芸術的な論文は同時に、君たちが「量」によって物事を改良することができることも示した。大きな構造を作ることによって、ではなく、小さなパーツを大量につなぎ合わせる事によってね。これらのパーツが本体全体を作り上げる。
参考:Building Blocks for Aerospace Structures Kenneth C Cheung
これは、飛行機のパーツを製作した例だ。細胞となるパーツからできている。構造を再編成して変形することができる。
そして、これを応用することで、君たちはものすごく面白いロボットを作ることができるようになる。先ほどお見せしたように、組み立てられた構造はパーツと比較して大きい。
今お見せするものも、全体の構造に比べると小さなものだ。ロボットがカーボンファイバーのループ構造を全体の構造に追加したり除去したりするんだ。 局所的に部品を動かすことで、全体の構造を作り上げるロボットだ。これって、まるでリボソームみたいじゃないかい? そしてこれは、これらのアセンブリ(組み立て)ロボットのデザインツールだ。これらのロボットは巨大なスケールの構造を作り出す。もう一度言うが、そのサイズの機械を用いてコンクリートを成型するようなやり方じゃないよ。小さなパーツから大きな構造を作り出しているんだ。
●アセンブリロボットはアミノ酸のよう 象だってアミノ酸でできてるだろ?アミノ酸はひとつの分子だ。でも、それらが大量に配置されることで、大きな構造を作ることができる。そういうことなんだ。 僕が今話したようなパーツは、プリントしたり切断されて作られるものじゃないはずだ。そうではなくて、組み立てたり分解したりして作られるんだ。
そして、その後に待ち構えているのは、プログラミングによる折り畳みという段階だ。 これは、数学的な問題だ。コードを形状に変換するためのね。ここでは蛋白質の折り畳み構造にまつわる問題とは真逆のことが起きる。 蛋白質の折り畳み構造について調べる時、君たちが知りたいことは「どんな感じのカタチに蛋白質が折りたたまれているか」ってことだよね。 それに対して僕たちが知りたいのは、「その形に折りたたむにはどんな風にコードをデザインすりゃ良いのか」ってことだ。そして、それを知るためには、美しい数学の海に漕ぎ出さなきゃならないんだ。
( つづく )
講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。