ツールの回転方向と進行方向の組み合わせ ●クライムマシニング
上から見た時、ツールが時計回りに回転しているとしよう。そして、右向きに進ませようとしている。この組み合わせは、クライムマシニングと呼ばれる。なぜなら、ツールは材料に沿いながら這い出す方向に進むからだ。クライムマシニングの場合、材料の固定やツールの固定をさらに強くしなけりゃいけない。なぜなら、ツールは材料から外れようとし続けるからだ。でも、このやり方にはいい点もある。バイトの表面部で削り取りながら進むので、ツールが通り過ぎた後には滑らかな表面が得られる。
●コンベンショナルマシニング
もしくは、回転方向はそのままで逆方向(左向き)に進めることもできる。これは、コンベンショナルマシニングと呼ばれる。なぜなら、ツールは材料の内側に進入しようとするからだ。 コンベンショナルマシニングの場合、材料を掘るように進むので、粗い仕上がりになる。でも、マシンにかかる力は弱くていい。 一般的には、コンベンショナルマシニングは、荒く削るときに適していて、クライムマシニングは細かい仕上げ用に使われる。これが、ツールの回転方向と進行方向の組み合わせの選択基準だ。 (つづく) 講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。