装置を正確に動かすための2つのアプローチ 次の話題に移ろう。今お見せしているのは、僕が研究室で使っているマシニングセンタだ。 この背後に回り込むと、この装置には鉄製の鋳物が備わっているのがわかる。このように随分と分厚いものだ。 この過剰とも取れるくらいに堅牢な鋳物は、この装置でツールをある位置から他の位置まで動かす時に、装置自身が動かないようにするために設計されたものだ。 一方で、僕が使っているウォータージェットは全くもって、これとは異なるものだ。なぜならば、ヘッドを動かしながら、ガーネットの粒子が含まれた水のジェットで切断を行うからだ。 ジェットの形状はヘッドの動きに依存する。だから、この装置は動的なツールが備えられている。静的ではないんだ。この装置の駆動部は、いつだって一箇所に留まることはない。 厳密に言えば、実際にはヘッドの下部でジェットが動いている。ヘッドを動かすのに従ってね。だから、このマシンを用いる時には、動きを計画する時に、ファイルに設定した場所に動かすだけじゃダメなんだ。 実際のところ、君たちはジェットが外側に来るように動かすことになるし、ヘッドは切断したい場所よりも上部に位置する。 これらの問題に対処する方法の1つとしては、全てを固定して、装置を作ることが挙げられる。 そして、もう1つの方法は装置のダイナミクスを認識するというやり方だ。それは軌跡の準備する際の1つの項目だ。君たちはダイナミクスを考慮して装置への応答に対応した軌跡を作る。それは装置の静的な堅牢性だけの問題ではないのだ。 ( つづく ) 講義の目次は 【和訳版】FabAcademy 2016 からご覧ください。 ※この記事は FabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。
Lesson10. 装置設計 §5. 静的な設計と動的な設計
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