top of page
  • ahedgehogchase

Lesson 2 コンピュータ支援設計-CAD/CAE §3 ベクタードローイング

ベクタードローイング

 次にピクセル(ラスター)ではなく、ベクタードローイングについて見てみよう。この方式ではピクセルを使わない代わりに、セグメント(ベクター線)を用いる。 Inkscapeもまたクロスプラットフォーム上で作動するフリーソフトだ。InkscapeによるドローイングはSVGに基づいている。これは本当に素晴らしいインターナルフォーマットだ。これは、プログラム可能なソフトウェアで拡張性が高い。だから、僕にとってInkscapeはすごく気に入っているベクタードローイングソフトだ。特に空間にドローイングするっていうのは、まさにCADみたいな機能に多少通じるものがある。

ベクタードローイングの特徴 その一、ブーリアン演算機能  こうやって、形状を描くことができる。もうひとつ形状を書いてみよう。僕ができる操作のひとつに、これらの形状を他の形状と組み合わせるというものがある。これは、ブーリアン演算と呼ばれるものだ。ひとつの形状を、もうひとつの形状から差し引いてみた。つまり、論理的に一方の形状から、もう一方な形状を除去したってことだ。これは君たちがCADのような操作を行う上で、とても重要な特性のひとつだ。

ベクタードローイングの特徴 その二、スナップ機能  そして、2つ目の重要な特徴はスナップ(吸着)機能だ。これについては、伝えたいことが色々ある。ツールを選択して、僕がこれらの形状を近づけると何が起こるかと言うと、近づけるだけで、正しい(であろう)位置に自動的に配置されるんだ。で、メッセージが出る。図形の真ん中をクリックして、この辺に近づけてみると、ジャンプして正しい(であろう)位置にスナップする。そうすると、頂点や中央やエッジにスナップすることができる。要は、整列させることができるんだ。この図形は中央に配置され、僕は一方の図形をもう一方から除去することもできるだろう。だからスナップ機能は2つ目の重要な機能だ。

ベクタードローイングの特徴 その三、クローン機能  3つ目の機能は、ヤバいくらいパワフルだ。見てて欲しい。僕は違う色で形を作ってみるよ。コピーする代わりに、僕はこの形状のクローンを作る。ほら、これがクローンだ。これを、ここに置いて、それから「親」を作ろう。もう一個、クローンを作ろうかね。ここに置いて、回転させちゃったりしてね。こんな風に。でもって、白くしてみるか。えっと、今僕がやったのはブーリアン演算じゃないよ。これは謂わば「視覚的ブーリアン演算」だ。論理的なブーリアン演算じゃない。でも、今見てもらったのは、これらの図形はクローンだから、ひとつ目の図形を選んで、サイズを変えたりしたら、他のものもぜんぶサイズが変わるんだ。(もちろん色もね)  これが階層的なパラメトリックデザインの序章だ。君たちがレーザーカットする時、きっと差し込み口を沢山こさえることになる。その時、嫌という程この機能を使うことになる。板厚を変えた時なんて、この機能なしじゃ悲惨だ。パラメータをひとつ修正するだけで、全体のデザインが変更されたら最高だね。だから、君たちには一瞬で設計変更を全体に波及させるような技術が必要なんだ。単にInkscapeを使えるってだけじゃ、こうは行かない。でも、クローンを作るやり方を知っていればできることだ。

つづく

講義の目次は【和訳版】FabAcademy 2016からご覧ください。

※この記事はFabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。

最新記事

すべて表示

Lesson 13. 出力デバイス §4. LEDマトリックス

●LEDマトリックス 次に紹介するのはLEDマトリックスだ。 動作しているのを見てみると、ディスプレイの一部分が表示されているのが見えるだろ? 僕はディスプレイの一部分を用いてラスタリング(画像を色のついた格子状のドットで表現すること)を行なっているんだ。 ●Charlieplexing これは便利な技で、Charlieplexingと呼ばれる。 このLEDは大量購入すると6セント

Lesson 13. 出力デバイス §3. 調光LED

●調光LED さあ、ここから僕は多くのデバイスを紹介していこう。 最初に紹介するのは、色調を変化させることのできるLEDだ。色を周期的に変えることができるんだ。 これが、その部品だ。 この部品には赤と緑の、青のLEDが1つのパッケージに含まれている。大量購入すれば、40セントで買うことができる。これらはスタジアムとかにある巨大なディスプレイに用いられていて、これがスタジアムでは1ピク

Lesson 13. 出力デバイス §2. 電源

●電源 今回の課題のゴールはたくさんのバッテリーを使うことじゃない。モバイルにしなくちゃならない場合を除いてバッテリーを使うのはお勧めしない。一般的には各Labは各種電源を取り揃えているはずだ。 今から紹介するベンダーMARLIN P. JONES & ASSOC. INC.は数多くのベンチサプライ(電源)を取り扱っている。 きっと諸君はこれらの各種電源をプロジェクトに用いることになるだ

bottom of page