つまり、関数表現(F−Rep)は最高ってこと
関数表現(F-Rep)の説明に戻ろう。ここまでに関数表現を用いることで計算固体幾何学的な操作が可能になったね。これは階層的なデザインであり、パラメトリックなデザインでもある。この手法で、別途プログラミングする必要はないが、全てのノードが実質的には小規模なプログラムであり、かなり複雑な設計要素同士の関係性を全て記述することができる。なぜなら、これは設計情報とプログラムを接続して、一からデザインし直すからだ。関数表現のCADツールは関数エンジンを中核として構成されている。これは、僕のお気に入りのモデリングツールだ。 Matt (Mattew Keeter)は精力的に開発に取り組んでいる。この講座ともコラボレーションしている。Antimonyを使い出すと、問題に突き当たるはずだ。ここで、Mattを紹介しておこう。彼は、バグ修正を進めつつ、開発チームメンバーを集めながら機能の追加に奔走している。
再びAntimonyについて触れるが、GitHubのサイトに行ってみると、Antimonyをダウンロードできる。そして、君たちのコンピュータ上で環境を構築することができるんだ。
今のところインポートはできない
受講者:すみません、質問です。Antimonyにはどのようなファイルをインポートできるのですか?つまり、ほかのソフトウェアで形状を作ってAntimonyで開いて別の編集をすることは可能でしょうか?また、その逆も可能ですか? いや、インポートしたり、それを編集したりすることはできない。なぜならAntimonyは全くの別世界を作っているからだ。確かにファブリケーションのためにデータを書き出すことはできる。でも、他の設計ファイルをインポートすることはできない。すでにある形状を、F-Repという表現方法に変換するのは数学的に難しい問題なんだ。そしてまた、ここから書き出されたデータを用いて他の設計ツールで編集することもできない。つまり中間ファイルという概念が存在しないということだ。 この問題に対しては、新しいModsプロジェクトではブラウザ上で動くAntimonyへのポートに対する取り組みに少しずつ着手している。 Antimonyはひとつの大きなプログラムだが、ModsプログラムはAntimonyの設計データを小さなブロックの構造体に細分化するんだ。しかし、Antomonyのこの新しいバージョンのこの機能は、Antimony自身の世界によって構成される。君たちは、Antimonyを使うこともできるし、他のツールを選択することができる。ただし、他のプログラムのインターフェースにはならない。それでも、かなり使い勝手が良くなると思う。 受講者:AnyimonyはSTLは書き出せるんですよね。Antimonyで作ったデータをSTLとして書き出して、それを使って他のプログラムで編集することはできるんじょないでしょうか?まあ、その後は決して正しい形状には戻せないでしょうけれども。 そうだ。STLってのは全ての設計情報を失っている。エクスポートしたSTLをBlenderでレンダリングするっていうなら意味はあると思うよ。でも、STLには設計情報はもはや保持されていないことを覚えておくべきだ。 受講者:AntinmonyをWindows上です動かすことについて質問したら、完全に泥沼にはまりますかね? いや、そんな事はない。AntimonyのGitHubに行けば、Windowsポートのスレッドがある。 ん…!?信じられないな!Mathewからの書き込みがある!そうだね、他の人がやっているのはしっていたけれども。ああ、ビックリした。Mathew Keeter本人がこう言っている。「僕は、このブランチで、Windowsのネイティヴ版を開発しようとしている。」ってね。Mattは明らかにWindows版を持っている! ここにAntimonyのブランチがある。ブランチのひとつは、Win32版だ。何か問題があったら、Mattか僕に連絡してほしい。
受講者:分かりました。ありがとうございます。
(つづく)
講義の目次は【和訳版】FabAcademy 2016からご覧ください。
※この記事はFabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。