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Lesson 2 コンピュータ支援設計-CAD/CAE §19. 完璧なツールなんてない。完璧な絶望が存在しないようにね。

ファイルの保存先について

受講者: 最終課題のためには大きなファイルが必要になると思いますが、やはり外部のWebサイトではなく講座のリポジトリに保存する必要があるということですか?  ああ、それはいい質問だね。その事については後日話そうと思う。外部サイトの使い方についてどうするべきかお伝えしよう。

まずは最終課題のテーマを決めよう  では、今回の課題について話そうか。君たちには今回の課題で最終課題なテーマを決めて欲しい。別に後から変えても構わない。今回のゴールはデザインツールを使える状態になる事だ。僕は君たちにできるだけ色んなやり方でデザインしてほしいと思う。まず、ビットマップツールを使ってスケッチする。そして、2Dベクタードローイングプログラムを使って、アウトラインや図形を描く。その後は初心者向け3D CADを使って、大雑把なモデルを作ってみる。そして、Fusion360やSolidWorksなどのハイエンドCADツールを入手して、プロフェッショナル用ツールで3Dデザインを行うんだ。関数表現のやり方も使ってみて欲しい。理想を言えば、モデリングした後はレンダリングにも取り組んで欲しい。モデリングした場合でも見た目はひどいもんだ。でも、レンダリングしたら写真みたいな華やかでリアルな表現が可能になる。

レンダリングのすゝめ  レンダリングの話に戻ろう。レンダリングの良い例として、Blenderのギャラリーを見てみよう。ここで見られるのはBlenderでレンダリングされたものだ。これらは全てコンピュータ上で処理されまるで写真のようにリアルにモデリングされたものだ。 Fusion360やSolidWorksにもこのようなレンダリング機能がある。幾何学的に正しい形状をして作り、そしてその後に写真のようなリアルな表現が可能なんだ。  上級編としては、これらをアニメーション化することもできる。ちょっとしたビデオクリップを作ることができる。もっと、作り込みたい場合はゲームエンジンを使うと良い。そうすれば実際にインタラクティブな操作もできる。  また、Blenderに関してだが、これもゲームエンジンを搭載している。しかし、スタンドアロンのゲームエンジンがあることはすでに話した通りだ。

最も大事なことは自分に合ったツールに出逢うこと  ゴールは、これらのツールを入手してインストールし、どれが自分の好みかを見極めることだ。みんな、好き嫌いはあるだろう。完璧なツールなんてない。完璧な絶望が存在しないようにね。繰り返し注意するが、ビギナーとしてプロ用のツールの操作を覚えようとした時には、単にいじくり回すだけで習得することなんかできやしない。学びとはもっと深遠なるものだ。でも、その見返りに、それらは君たちの目的を成し遂げるための強力なツールになるだろう。だから、チュートリアルをこなすことは大事なんだ。Blenderみたいなツールは特にチュートリアルが充実している。いじくり回すだけではいけない。ハイエンドツールを使えるようになるには、ガイダンスが必ず必要だ。そして、ツールを可能な限り多くの方法で操作する術を習得すべきなんだ。  次回、君たち全員の講座用ページに課題が提出されているだろう。インストラクターたちがスーパーノードを確認するからね。来週もランダムジェネレータを使うよ。これは、色んな人に会うためだ。そして、ツールのツアーをやってみようと思う。みんなが違うツールを使っている。理想的には、僕が提示したツールの全てをこの中にいる誰かが使ってくれることだ。君が選んだツールとは違うものを選んだ人がいるはずだ。であれば、彼らのノートを読んで、自分のツールとの違いを知ることができるという寸法だ。そして、今回の課題はは次回の講義につながる。次回はコンピュータ制御による切断工法だ。その講義の課題で、君たちは組み立てキットを作ってもらう。組み立てキットをデザインするにはパラメトリックなツールが必要だ。ジョイントを設計するには形状とオブジェクトの関係性が要になる。今回の講義はその準備段階だ。切断工法の課題にあたっては、パラメトリックデザインに取り組んでくれたまえ。 受講者:切断工法の課題は2Dファイルだけで良いんですか?  ああ、次回はそれで良い。その次は3Dで作ってもらう。 受講者:分かりました。 他には質問はあるかな? 受講者:今回の課題では、少なくとも2Dは必要で、余力があれば3Dにも取り組むっていう感じで良いですか?そして、その次からは2Dと3D共に必要だということですね?  そこを明確にしてくれてありがとう。まあ、欲を言えば、今回の課題で両方提出してくれる方が嬉しいんだよな。3Dツールで2Dを表現するんだ。最小限の取り組みで済ませようと思えば、123D(※2017年現在、使用できない)とTinker CADでやってみれば良い。入門者用のツールだね。でも、理想を言うともっと高度なツールにも取り組んで欲しい。  でもまあ、ぶっちゃけ言うと今回の課題は2Dと同様に3Dに対する取り組みも大事なんだ。もし、ひとつのツールで課題をやり終えたら他のツールでもやってみて欲しい。そうすれば、最終的に本当に使えるツールボックスを手に入れることができる。そして、これらのデザインツールに習熟することは最も大切なスキルだ。だから、ツールをマスターして欲しいんだ。  今回のゴールはそれらのツールに出会い、このセメスターを通して使うツールをインストールすることだ。君たちはこれからもっともっと新しい使い方を学ぶことになるだろう。さあ、君たちのLabで作業を開始して欲しい。では次回またお目にかかろう。君たちの作品たちと共にね。さあ、楽しいモデリングの時間を始めよう!ありがとう!

講義の目次は【和訳版】FabAcademy 2016からご覧ください。

※この記事はFabAcademy 2016 におけるニール・ガーシェンフェルド教授(MIT)による講義動画をもとに作成しました。正確な訳ではないので間違っていたら指摘いただけるとありがたいです。

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