情熱をもとに市場を細分化する(1人ブレスト) 僕の情熱はどこに向かっているのだろうか?そう自問自答することが市場細分化への突破口になるようだ。では、その情熱はどこに向かっているのか。 僕が最も重きを置いているのは、マイクロ資本の創出と普及だ。これは、ベーシックインカムという制度が実現しないことを想定したバックアッププランとして重要だと考えているからだ。これから人間はAIから仕事を奪われる運命にある。でも、そうであっても生きていくためにはベーシックインカムもしくはそれに類するものがなければ不可能だ。どう転ぼうとも、「職」はどんどん奪われていくのだから。 そして、マイクロ資本が遍く人々に行き渡るには、どうしてもエネルギーインターネットの普及が必要不可欠だ。しかし、巨大な中央集権的な電力会社がその方向に転じるようには到底思えない。彼らは原子力発電に固執しすぎている。そして、それは次の産業革命の妨げになるだろう。だから、僕は自分たちでエネルギーインターネットを築くにはどうすれば良いのかという問いから、このアイディアを思いついた。 エンドユーザーは誰なのか しかし、こう考えるとどうしても僕は「エネルギー業界」から逃れる事は出来ないような気がする。なぜならば、僕が望んでいるのは次なるエネルギー革命だからだ。ここを避けては通ることはできないのだ。 でも、一体どれだけの人たちがエネルギー革命を望み、そのムーブメントを後押しする可能性があるのだろうか。一体どんな人たちが、そのような考え方を受け入れられるのだろうか。 前回、オフグリッド電力のユーザーを供給者として、そして再生可能エネルギーに興味を持ちつつも導入ができていない人をエンドユーザーとして挙げた。一応、そういう仮説を立ててみたわけだけれども、それ以外の可能性を見落としていないかちゃんと考えた方が良いだろう。きっと何かを見落としている。 エントロピーを低くしてそれを配る(論点を発散させるよ) また、振り出しに戻ってしまうけれども、僕が主眼としているのはマイクロ資本の浸透だ。僕は先程、マイクロ資本の浸透にはエネルギーインターネットの普及が欠かせないと述べた。それは、間違いない。でも、エネルギーというモノの捉え方を少し変えてみる事で、突破口は見えないだろうか。 バッテリーに充電するという行為は、電気エネルギーを化学エネルギーに変換する事だ。そして、電気エネルギーを化学的に変化させてやる事は、充電だけに限ったことではない。例えば水素と酸素に電気分解して、それを燃料電池に供給するという方法を取っても良い。要はエントロピーを低い状態に持っていけば、あとからそれを取り出す事は可能だという事だ。 そして、それは乱雑さを低減させるというやり方で物理的にも可能になるだろう。例えば電子機器から種類ごとに材料を取り出せれば、それはエントロピーを下げていることになる。なぜならば、エントロピーは熱力学的な指標であるとともに、統計力学的な視点から見ると乱雑さの指標でもあるからだ。一般的に乱雑さが少ないほど、エントロピーは低い。 こうやってみて見ると、エネルギーインターネットというモノを「エントロピーの低い状態にしたものをシェアするテクノロジー」というように捉えることができる。 もしも、核融合炉が小型で家庭用にできるのであれば、(それは大それた夢物語には違いないのだけれども)最強のエネルギーインターネットを実現することになるだろう。再生可能エネルギーから、水素を取り出し、それを桁外れに大きなエネルギーに変換してやることになるのだから。でも、さすがにこれはやり過ぎだ。核融合炉は実用化すらできていない。 しかし、ここで確認できた事は「バッテリーにだけ囚われるな」ということだ。他の道があるという可能性を忘れてはならない。ビジョンに沿ったピボットを行うならば、その視点を忘れてはならない。
(つづく)