1.4 遠隔地での物理的制約を軽減させるという課題は本質的な選択肢だ
もし、仮に「グローバルなネットワーク上で 、協力してひとつの物理的な(モノ)を作り上げる」ために、「遠隔地での物理的制約」が軽減された世界はどうなるだろう。
一つ言えることは、地理的に一箇所に集中していた土地から、智慧が急激に拡散するであろうということが予想される。どこでもドアで、即座に移動できるのであれば、ITスタートアップ企業の集積地であるシリコンバレーとハードウェアスタートアップ企業の集積地である深圳を一瞬で行き来することは容易い。その上で僕たちがどこに住むべきかということは全く問題にならなくなるはずだ。東京に住もうが大阪に住もうが関係ない。どこからでも「通勤」が可能になるから、土地の安い離島に住みながら、ボストンの本社に「勤務」することだってできるからだ。都市の土地の需要は年々低下していく可能性も出てくる。 このように、この問題が解決された世界では、地理的な制約が現在よりも緩和されるため、社会の営みは今よりも流動的になるだろう。これは僕たちの生活を一変させるはずだ。今、僕たちが想像もできない世界が現れるだろう。そう意味で、この問題を解決する価値は高いと思う。