違和感
前回の投稿に違和感を感じなかっただろうか。いきなり出てきたキーワード「オフグリッド」に戸惑った方もいらっしゃるだろう。オフグリッド発電は送電線から隔離された時給自足的な発電方式だ。はなから売電なんて考えていない人達が構築するDIYスピリット溢れる方式である。太陽光発電が多い。 そう、このシステムはDIYで構築されることが多いのだ。そして、やりようによっては安価にシステムを構築することができる。 送電網使用料という罠 なぜ、この方式が適しているのかというと、送電線を用いた場合、自然エネルギーによる電力小売り事業者は、送電網を管理している大手電力会社に送電網の使用料を徴収されるからだ。自然エネルギーを安く供給することはできないのだ。個人で売電する場合も、売電価格は固定価格買い取り制度があるので、安くなることはない。(これはもしかしたら、将来的には無くなるかもしれないけれども) 余った電力のシェア そして、オフグリッド電源は、送電網から隔離されているので、「送電網事業者」に買い取り義務はない。というか、買い取り義務など発生しないのだ。さらに、オフグリッド電源で充電されたバッテリの電力を「シェア」するのは、問題ない話だろう(たぶん)。 何というか馬鹿げた話ではある。そんな事だれがやりたがるのか、と。 しかし、NEDOによると太陽光発電は2030年にはジェネレーションパリティを迎え、火力発電よりも安価なエネルギーになるという。そして、特筆すべきは、この変化は指数関数的に進行しているということだ。ちなみに、スワンソンの法則に従って試算すると、ジェネレーションパリティを迎えるのは、2020年代中頃になる見込みだ。これは遠い未来の話題などではなく、もうすぐそこまで迫っている話なのだ。 そして、その時代においては、バッテリのエネルギー密度も大幅に改良されていることが見込まれる。2012年時点で60〜100Wh/kgだったエネルギー密度は2030年には700Wh/kgまで改善される見込みだ。さらに自動走行技術の発展を考慮すると、ありえない話ではないだろうか。 余談だけれども、自然エネルギーの固定価格買取制度が廃止された場合、送電事業者の買い取り拒否が可能になる。これは、チャンスでもある。もしも、このような馬鹿げたことが現実に起こったならば、僕たちの見込み顧客はさらに増える。オフグリッドだけでなく、全ての太陽光発電パネルが供給者の候補となり得るようになるだろう。 もちろん、発電機を持っている個人の生産する電気の売価は下がるかもしれない。でも、発電機設置コストはこれから劇的に下がるだろうし、買い手もより安い電力を手にすることが可能になるだろう。長期的にはWin-Winの関係に持っていくことができるのだ。 まあ、そんなことは、大手電力会社はお見通しかもしれないので、まずは僕たちはオフグリッド電源にターゲットを絞り込むことにする。 (つづく)