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不都合な真実(僕にとって)

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AIがエントロピーを低減させる さらに話を広げていこう。エネルギーインターネットという概念をマイクロ資本という概念まで広げると、「エントロピーを低減させシェアせよ」というスローガンに落ち着く。例えば、AIがゴミ分別するシステムはエントロピーを低減させている。ゴミという乱雑な状態から原料という整然とした状態に再構成しているからだ。 従来、自己組織化された整然としたモノを作り出すには、ギブス自由エネルギー(または化学ポテンシャルと言っても良いのだけれども)をハッキングして、それをドライビングフォースとして利用するということがなされていた。電子デバイスを製造するときに用いられる、真空蒸着なんかは濃度差(ミクロ的に見ると分子運動)をうまく利用している。もっとも、これは原料側のエントロピーを無理やり下げて、すこしエントロピーの高い製品に再構成するというプロセスなので、ゴミ分別の話とはまた別の概念かもしれないが。 しかし、プロセスでエントロピーをハッキングしていたやり方に加えて、今まで人海戦術でやっていたこともAIの到来によって人手を介さずに行うことが可能となったのだ。 こういう事例を挙げると、「エントロピーを下げてシェアせよ」という命題がいかに範囲の広いものかお分かりだろう。そして、これは、僕が最初からあまりにも標的を絞り過ぎていた事を意味する。僕が天才でない限り、そんなことをしても、プロジェクトが成功する確率はほぼゼロだ。そして、残念ながら僕は天才ではない。もっと脳味噌をほじくり回さないといけない。 不都合な真実(僕にとって) ここで、読者の皆さんに謝っておかなければならないことがある。それは、僕はある事に気付いていながら、知らんぷりしたことだ。見て見ぬ振りをしたのだ。それは、電力コストの劇的低下が、他のマイクロ資本の生成にどのように寄与するのか、その道筋を真剣に考えて来なかったことだ。何なら、安価な電力でマイニングすりゃ、お金にはなるな、くらいの勢いかもしれない。実際、電力の安価な中国で行われているのは、そういうビジネスだ。 電力がマイクロ資本に変容するんだろうな、というフワッとしたイメージだけで語ってきたきらいはある。そこは、ほぼ直感。何かを検証したわけじゃない。 エネルギーが満ち溢れると何が起こる? そもそも、日本と電力が安いとされている地域ではどれだけの価格の差があるのか? ビットコインの採掘に一番適した地域はベネズエラだという記事を見つけた。ベネズエラでは電力に助成金が出るため、ほぼ無料で電力が足りない使える(使用量は制服当局の監視下にあるようだが)。 無料である程度の電力が足りない使えるなんて、再生可能エネルギーのコスト低減によるマイクロ資本の萌芽が見えても良いものろうと、僕は思っていた。でも、実際見に見えるのはビットコインの採掘という、割と分かりやすい結果だけだった。これは、残念。 希望はまだ潰えない しかし、まだ希望が潰えたわけではない。理由は3つある。 1つ目は、ビットコインの採掘自体が、マイクロ資本の蓄積の第一歩であるということ。 2つ目は、ビットコインの採掘という行為に注目が集まりすぎていて、もっと地味な進歩が隠されているだけという可能性がある。得てして、そういう変化は陰を潜めながら進行するものだ。ブラックスワンは予期せぬところから生まれる。 最後の理由は、これから起こることは、まだ誰も経験していない大変化だということ。今は、国ごとの電力の価格差が大きく、ビットコインの採掘という手っ取り早い手段に流れがちだ。しかし、次のエネルギー革命では、国ごとの電力差は縮まりながらコストが下がるはずだ。自然エネルギーは世界中に溢れているからだ。こうなると、ビットコイン(もしくは他の仮想通貨)の採掘という手っ取り早い方法だけでは、富が蓄積しない可能性が高い。もっと多様なマイクロ資本の手に入れ方を考え出そうとするインセンティブが働くようになるだろう。 とは言え、上記の理由は当然ながら、まだ仮説の段階だから、必ずマイクロ資本のカンブリア紀がやってくるかと言えば、そうではないだろう。僕はそれが起こるはずだと考えているけれども、実際はそんなに単純な話ではないかもしれない。しかし、可能性があるのであれば、僕はそういう世界を見て見たい。 (つづく)

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